ちょっと時間がなかったのでAIにほとんど書いてもらいましたが、適宜補足しています。

んで、まずは一月だけですが、Le ChatのPro版を試してみることにしました。ただし、まだLe Chat(ルシャって発音するらしい)はMistral Largeらしいんですよね。Claude 3.7 Sonnectの90%の性能というMedium 3を使ってみたかった。

Mistral AIとは?

Mistral AIは2023年4月に設立されたフランスのAIスタートアップ企業です。Google DeepMindやMetaの元研究者たちが創業したこの企業は、オープンモデルとプロプライエタリモデルの両方を開発し、急速に成長しています。本社はパリに置かれており、欧州のAI開発をリードする存在として注目を集めています。

Mistralという社名は、フランス南部で吹く強力な冷たい風にちなんで名付けられたとのこと。

Mistralの主要なLLMモデル

Mistral AIは様々なサイズと能力を持つLLMを開発しており、主要なモデルには以下のようなものがあります:

  • Mistral Small - 小規模ながらも高い性能を持つモデル
  • Mistral Medium - 中規模モデルで、コストパフォーマンスに優れている
  • Mistral Large - 最も高性能な大規模モデル
  • Pixtral - マルチモーダル(テキストと画像)に対応したモデル
  • Codestral - コード生成に特化したモデル
  • “Les Ministraux” - スマートフォンなどのエッジデバイス用に最適化されたモデル群

2025年5月に発表された最新のMistral Medium 3は、特にコーディングやSTEM(科学・技術・工学・数学)タスクに強く、マルチモーダル理解にも優れています。注目すべき点として、Anthropicの高価なClaude 3.7 Sonnetと比較して、ベンチマークテストで「90%以上の性能」を持ちながら、価格は8分の1という点です。

Le Chatの概要と機能

Le Chatは、Mistral AIが開発したAIアシスタントで、ChatGPTやClaudeなどの競合に対抗するサービスです。2024年2月にベータ版が公開され、2025年2月にはiOSとAndroidのモバイルアプリもリリースされました(macOSアプリはまだありません)。Le Chatの主な機能には以下のようなものがあります:

1. 高速処理能力

「Flash Answers」機能により、1秒間に最大1,000語を生成する高速処理を実現しています。これはOpenAIのGPT-4oを上回る速度とされています。Pro版を契約するまではよくわかりませんでしたが、Pro版にしたところ爆速生成ですごいなーとなりました。GPT-4oやClaude 3.7 Sonnetより高速ですね。

2. ウェブ検索と引用

AFPとのパートナーシップにより、信頼性の高いニュースソースを活用したウェブ検索機能を提供。1983年までさかのぼるAFPのテキストアーカイブ全体にクエリを行うことができます。(とのことなのですが、Pro版はただ「news」と書いていて、Enterprise版が「AFP news」と書いているので、Pro版だとちょっと違うかも。無料版ではWebからは検索できたのですがアプリからはできませんでしたね、仕様なのか無料特有の回数制限みたいなものなのかはわからないです)

3. ドキュメント処理

PDFや画像などの文書を読み込み、OCR(光学文字認識)機能によってテキスト化し、内容を理解・分析することができます。

4. 画像生成

Black Forest LabsのFlux Ultraモデルを採用し、高品質な画像生成が可能です。ChatGPTやGrokよりも優れた画像生成能力を持つと主張しています。(ここでいうChatGPTは昔のDALL・Eのことだと思います。現在の4o Image Generator / Image-1 APIとの比較だと話は違ってくると思います)

5. コードインタープリター

スクリプト実行、データ分析、可視化機能を備えたコードインタープリターを搭載しています。

6. Canvas機能

対話型表示とは別に表示されるキャンバス領域で、出力内容を共有し、LLMの推論機能を活用して直接コンテンツを編集・変換することができます。

Le Chatの料金プラン

Le Chatには複数の料金プランがあり、個人から企業まで幅広いニーズに対応しています:

  • 無料版:基本的なチャット機能、ウェブ検索、ドキュメント処理、画像生成などを含む
  • Proプラン:月額14.99ドル(約2,200円)
  • チームプラン:ユーザーあたり月額24.99ドル(約3,700円)
  • エンタープライズプラン:カスタム価格

学生向けには、Proプランが月額5.99ドルで提供されており、教育利用をサポートしています。(日本のユーザーまで学割適用されるかどうかはわかりません。Proプランは公平利用の範囲内で上限なしみたいな書き方なので、Claude Proよりはたくさん使えそうな印象あり。ChatGPT Plusぐらいかな? 何より年契約でなくても月14.99ドルはちょっと嬉しい)

Le Chatのニュース機能の強み

Le Chatの特筆すべき強みの一つはニュース機能です。Mistral AIはAFPとの広範な契約を結び、信頼性の高い情報源によるリアルタイムのニュース提供を実現しています。

ユーザーはLe Chatを通じて、最新ニュース、スポーツの結果、株式トレンド、世界的な出来事など、様々な情報にアクセスできます。この機能により、ユーザーは時事問題や業界トレンドについて常に最新情報を得ることができます。

特に欧州地域のニュース提供に強みを持ち、フランス語コンテンツへのアクセスが優れています。これはChatGPTやClaudeと比較した際の差別化ポイントとなっています。

(一応日本のニュースも取得できます。ただ引用のリンクが全体的にうまく貼れてないような……?)

Mistral Medium 3の驚異的な性能

2025年5月7日に発表されたMistral Medium 3は、効率性と性能のバランスに焦点を当てた新しいAIモデルです。APIでの価格は、入力トークン100万件あたり0.40ドル、出力トークン100万件あたり2ドルと設定されています。

このモデルは、Anthropicの高価なClaude 3.7 Sonnet(入力3ドル/出力15ドル)と比較して「あらゆるベンチマークで90%以上の性能」を発揮しながら、8分の1のコストで利用できるという驚異的なコストパフォーマンスを実現しています。また、MetaのLlama 4 MaverickやCohereのCommand Aなどの最近のオープンモデルを上回る性能も示しています。

Mistral Medium 3は、コーディングやSTEMタスクに最適で、マルチモーダル理解にも優れています。金融サービス、エネルギー、ヘルスケアなどの分野のクライアントが、カスタマーサービス、ワークフロー自動化、複雑なデータセット分析などのユースケースでベータテストを行っています。

このモデルは、MistralのAPI以外にも、AmazonのSagemakerプラットフォームで利用可能で、今後はMicrosoftのAzure AI FoundryやGoogleのVertex AIプラットフォームにも提供される予定です。

Le Chatは現在ProだとMistral Largeっぽいので、すぐには反映されないと思いますが……期待はできます。

まとめと今後の展望

Mistral AIとそのAIアシスタントLe Chatは、欧州発のAI開発として、米国のOpenAI・Anthropicと中国のDeepSeekが主導するAI市場において「第三極」としての存在感を高めています。

特に最新のMistral Medium 3は、Claude 3.7 Sonnetの拡張思考なしと比較しても引けを取らない性能を持ちながら、価格は大幅に安いという驚異的なコストパフォーマンスを実現しています。

Mistralは公式ブログで「今後数週間で『大きな』何かに取り組んでいることは秘密ではない」と述べており、次に来るLargeモデルのアップデートへの期待が高まっています。このLargeモデルの更新により、AI市場の競争はさらに激化する可能性があり、ユーザーにとってはより高性能で低コストなAIサービスが期待できます。(おそらくこのタイミングか、その前にはLe ChatもMedium 3もしくはLarge 3になるのではないかと)

Mistral AIは、欧州のAI主権と技術革新を象徴する企業として、今後も注目を集め続けるでしょう。