そうだ、Obsidianにしよう

長らく使い続けてきたノートアプリ群があるのだが、今や小説すらVisual Studio Codeで書くようになったのだから、レガシーな環境に囚われるのは辞めよう……ということで、メモや小説執筆に使用するアプリを見直すことにした。 これまで使っていたアプリ これまで使っていたのは以下のアプリだ。 Ulysses(小説の執筆用) Bear(メモ帳として) Apple Note(Bearの代替として試していた) Day One(日記用) Visual Studio Code(プログラム用だが現在は小説執筆用に、ただし小説の閲覧にはいまいち) 他にもSimplenoteとかLetterspaceとかAgendaとかScrivenerとかiA Writerとか……さらに4-5本はあると思うが書いていっても仕方ないので忘れよう。 Craftはなぜ採用しなかったか 最近しばらくCraftを使っていたのもこの一環だが、結論から言えば、Craftは採用しないことにした。 Craftが悪かったわけではない。iOSでの編集は非常に快適だった。しかし、ちゃんと使うには無料プランではなく$10/月(年間払いなら$8)というのが、結構重かった。それだけでUlysses + Bear + Day Oneぐらいにはなってしまう(私はUlysssesは初期ユーザーなので安いプランのままなので、そうなる)。 AI部分は元のテキスト編集環境にはないところなので、その部分を$5と見ればまあ……なのだが。 UIにグラフィカルな要素が強い点などは、スマートフォン版ではいいんだけれども、macOSでは別に必要ではないな……とか、文書のフォーマット(テキストファイルの形式)が独自系で、出力はMarkdownができるけども、将来の移行時に大変かもしれない、とか、そういうことがあった。 環境作り直しの要件 ちょっと話が逸れたが、今回の環境作り直しにあたって期待していた要件は次のとおり。 文書はMarkdownで書けること macOSとiOSでアプリがあり、同期が可能なこと タスク管理……というと大袈裟だが、やることリストが使えること 毎日の備忘録として今日の日記を簡単に作成したい 録音した音声が添付できるとよい(ぶっちゃけ使ったことはほぼないが、ボイスレコーダー機能への憧れがある) スマホで撮影した写真が貼れること(文章化しづらいもののメモのため) 添付ファイルが貼れること(サービス契約時のレシートや、買ったもののPDFのマニュアルなどをついでに保存したい) カラーテーマが設定できること(長時間見るので、意外と大事) 表示の細かなカスタマイズができること(書いた小説を読むときに小説らしく読めることが必要……まあ最悪Reactとかでざっと作る手もあるが……とは思った) 操作の細かなカスタマイズができるか、単に自分の好みにぴったりなこと(後者はなかなかありえないので、前者が望ましい、自分の要求はなんか細かい) AI機能(LLM)が組み込まれていること 最後の一行以外は当たり前のことだが(そんなことはない、どう考えても録音とかあってもなくても構わない)、最後の一行が大事なのは、小説をVisual Studio Codeで書いていて「テキスト編集にAIない環境はもうダメだな、過去の遺物だ」と思ったからである。 この辺、詳しく書ける機会があったらまた書きます。 最終的な構成 で、結果的にどうなったかというと。 Visual Studio Code Obsidian(Obsidian Syncは契約するかどうか悩み中) となる予定である。 Obsidianで何ができるようになったか まず、BearのノートはObsidianに移行してみたら、そのままタグの構造化機能(フォルダツリーみたいに階層化されるタグをつけられる機能)も移行できた。 Apple NoteやBearやDay Oneでやっていた添付ファイル・画像貼り付けはできるし、音声の録音もまだ試せてはいないが単体でできるらしい。 Obsidianにはプラグインという機構があって、公式の展開するコアとコミュニティに分かれているのだが、この辺は全てコア機能でできる。 で、Craftとかでできていた(Bearとかにもあるけど)タスク管理だが、デフォルトでやることリストがあるが、Tasksというコミュニティプラグインを入れると、「どっかに書かれているタスク」をかき集めてくれるので、デイリーノートという日記のようなものにタスクをバラバラに書いていても大丈夫。 また、Calendarというコミュニティプラグインも入れたので、前の日とかのデイリーノートも読みやすくなった。 そして、期待していたAI機能については、いくつか選択肢がある中、Smart Composerというプラグインを入れてみた。Obsidian Copilotというのもあったが、こっちは少し使いこむと有料って感じだったのと、Smart Composerの考え方がGitHub Copilotのチャットと同じだったので使いやすそうだなと思ったためである。 どちらも外部のAIのAPIを指定して起動する方式になっているから、AIには別途お金を払わないといけないのだが、正直自分がメモ帳から直接AIを使いたいケースはiPhoneで長文を書くのが面倒になったときとかだと思うので、全然APIでよさそうではある。 ただし、しばらくはGemini APIの無料の範囲内にしようと思っている。意外とフリーティアの条件が緩いから十分かも。(なお、この記事の見出し追加はGemini API……厳密にはGenerative Language API……とSmart Composerの組み合わせで行った。レスポンスが長かったのか反応ない感じになったときはちょっと困ったが、十分使えそう。その後iPhoneからもやってみたけどそっちも問題なく動いた) ...

2025-03-23 15:26 · 折口詠人

ChatGPTのmacOS版アプリの連携機能について調べた

ChatGPTのmacOS版アプリにはアプリ連携機能がある。しかし、その挙動が分かりづらかったため、試してみた。 挙動について VS Codeでは、ChatGPTに読ませたいファイルを開き、アプリに戻るとメッセージ入力欄の上に「Codeとの連携」ボタンが表示される。これをクリックすると、開いていたファイル名(例: index.md)に変わり、文書を参照した状態になる。 連携できるアプリについて 同じ場所をもう一度クリックすると(隣に+ボタンも出る)、連携を解除したり、他のアプリと連携したりができる。+ボタンは追加用だ。 どのアプリが連携可能なのか基準が不明だ。VS CodeやTerminal、Warp、iTerm2といったターミナルエミュレーターは表示されるが、CraftやUlyssesは対応していなかった。どちらもテキストエディタに近いアプリだが、なぜ対応していないのかは分からない。すべてのアプリと連携できる必要はないだろうが、その基準が気になるところだ。 修正の適用について 「推敲して欲しい」などと頼むと推敲した文章を生成してくれる。チャットでだけ返してくることもあるのだが、Auto Applyにチェックが入っていると自動適用するらしい。 本来はソースコード向きなのだろうが、この手の記事でも問題はないようだ。 連携から除外したいアプリは? 設定で除外できるかは不明だ。ただ、追加しなければよいし、うっかり追加してしまっても削除できるので、それほど問題にはならないだろう。 そもそも利用ガイドはどこにあるのか? ガイドの所在が分からない。ニュースリリースでこの機能が追加されたことは見かけたが、詳細な説明がどこにあるのか不明だ。OpenAIのサイトを調べるしかなさそうだ。 結論 すべてのエディタと自由に連携できるわけではない。しかし、VS Codeで記事を編集しながらAIのサポートを受けられるなら、それだけでも十分便利だ。 ただし、文章の推敲にはClaudeのほうが向いていると感じる。

2025-03-20 14:50 · 折口詠人

ブログがFediverseに参加するということ

次のようなニュースが入ってきました。 Substack rival Ghost is now connected to the fediverse | TechCrunch https://techcrunch.com/2025/03/19/substack-rival-ghost-is-now-connected-to-the-fediverse/?guccounter=1 Substackというニュースレターがメインで、ブログも統合したようなプラットフォームがあるのですが(一回登録してみたことがある)、それに対抗するGhostが——といっても、初期のGhostはブログプラットフォームとして登場したのでブログプラットフォームにニュースレター機能がある形態なのですが——Activity Pub(Mastodon, Threads, Misskey, Pixelfed, Lemmyなどで使われているプロトコル)を使用して、分散型のマイクロメッセージプラットフォームであるところのFediverseに参加する、ということですね。 ……待って、この文章、難しいですね? まあ端的に言うと、Ghostでブログの記事を書いたら、Activity Pubを通してMastodon/Threadsみたいな感じで発行されるので、MastodonやThreadsのユーザーはGhostブログをフォローすることができるようになるよ、みたいな話だと思います。 この仕組みの魅力は何と言ってもそのシームレスさにあります。ブログ管理者は単に記事を書くだけで、自動的に読者へ通知が届きます。読者側も普段使っているFediverseのタイムラインで新着記事の通知を受け取り、ワンクリックで記事へアクセスできます。短い投稿なら、おそらくFediverse上でそのまま全文読めるでしょう。さらに、コメントも革命的に簡単になります。わざわざブログサイトに移動してコメントフォームを探す必要はなく、自分が普段使っているMastodonやThreadsからリプライを送るだけでコメントとして機能するのです。 実は、私も利用しているMicro.blogはすでにこの機能を実装しています。私のブログ「oeight.space」はFediverse上では「@[email protected]」という名前で存在しており、同様の機能を楽しんでいます。 もちろん、現時点では完全な互換性があるわけではなく、プラットフォーム間で可能なことと不可能なことが混在しています。しかし、その方向性は明らかに便利さを追求したものです。 これまでのブログ運営者は、新記事を公開するたびにXなどのSNSでタイトルとURLを共有し、そこで反応を得るという二度手間を強いられてきました。Fediverseとの連携によって、この過程がより自然でスムーズになることで、読者にとっても運営者にとっても大きなメリットがあるのです。 最近のXはAPIの制限強化でアプリ連携による投稿が複雑になりつつあります。それに加えて様々な問題も抱えているため、多くの人々がFediverseへと活動の場を移しています。このActivityPubによるブログとの連携は、そんなFediverseの利便性をさらに高める素晴らしい進化と言えるでしょう。

2025-03-20 13:44 · 折口詠人

このサイトについて、やるべきことがいくつかある

oeight.meというこのサイトを新しく作ったのはいいが、色々とやらなければならないことが残っている。 特に最近気づいたのは、このサイトに辿り着くための導線があまりにも少ないこと。とりあえず、色んなSNSのプロフィール等をいじる必要があるが、毎回それをやるのも面倒なので、一つプロフィールページのようなものを作って(例えばprofile.oeight.meとか……)、あちこちからそこにリンクを貼ることにするのがよさそうだ。 具体的なTODOリストとしては: プロフィールページの作成 基本的な自己紹介 SNSアカウントへのリンク集 SEO対策 Google Search Consoleへの登録 サイトマップの整備 metaタグの最適化 OGP設定の見直し コンテンツ充実化計画 当面は週3回以上の投稿を目標に 他のサイトとの使い分けもちゃんと考えておかないと AIを使うものをここに置くつもりではあった 他にも、検索サイトへのインデックス申請だとか、そういうこともやる必要がある。 そして何より、記事を増やさなければならない……。

2025-03-20 09:24 · 折口詠人

Claude Proを契約して本当によかったと思っている

はじめに AnthropicのチャットAIであるClaudeは、日本ではややマイナーだろう。 一般的に一番知名度が高いのがOpen AIのChatGPTで、そのあとはGoogleのGeminiや、MicrosoftのCopilot(ただし現状、Copliotの中身は基本的にChatGPTベースのはずだ)、それからClaudeが入って、MetaのLlamaやMistralのMixtralやアリババのQwenや正式な会社名が長いDeepSeekのDeepSeekなどが入ってくるだろうか。直近だとxAIのGrokか。 Anthropicという企業について ClaudeのAnthropic自体はOpen AIの元メンバーが設立した企業であって、AmazonやGoogleから出資を受けている企業なので、本来知名度が低いわけではないのだが……触って見ればわかる話だが、UIとかの日本語のサポートがやや弱い。 言語モデル(LLM。Large Language Model)の日本語理解度は非常に高いと思うのだが、UI周りはまだ英語中心のままだ。 Claudeの機能的な制約 それから、利便性的な周辺の機能面もやや弱い。 音声入力はできるものの、回答はテキストでしか返してくれず、音声で対話することはできない。(ChatGPTやGeminiは非常に流暢にこれができるし、CopilotはChatGPTの前のモデルのような音声だが会話はできる) 標準のアプリではプロジェクト機能とGithubやGoogle Driveとの連携はあるものの、ChatGPTのようにmacOS版はVS CodeやTerminalやメモと連携して中身を参照して回答することができます、という機能もない。 ChatGPTやCopilotがDALL-Eを利用して生成する画像生成の機能もない。 GeminiがやるようにGoogleのサービスとかなり統合してるとか、そういうこともない。 なんなら「Apple IDでサインイン機能」ですらないような状態である(iPhone版はできたかも)。 つまり、極めてシンプルに、AIとチャットできます、というアプリでしかないのだ。 Claude 3.7 Sonnetの実力 だが、それでいいと思えるぐらいにClaude 3.7 Sonnetは頭がいい。コーディングに関する能力が高く、ちょっとしたものはReactを使って動く形でモックアップやプロトタイプを返してくれるし、日本語についてもかなりセンスがある。 個人的な感覚にすぎないが、ChatGPT 4oまでは小説の散文を正しく理解できていないのでは? と思うことがあるのだが、Claudeは「こいつ……分かってるな?」となることがある。まあこの辺はプロンプトエンジニアリングで話が変わってくるところなので、聞く側が何を聞いていいかあまりわからない場合は、という条件付きの話だが。 最近、Claude 3.7 Sonnetが出たとき、インフォグラフィックを作成するだの、プログラミングをさせるだのでXが賑わっていたが、実際かなり有能である。あまりに有能すぎて利用者が増えたためか、なんか切断とかのエラーが出やすくなったなと感じることがある……これは関係ないかもしれない。 今後の展望 今年の1月ぐらいに音声対話の機能を数ヶ月以内にリリースしたいと言っていたらしいので、期待は持てそうではある。 まとめ:性能の高さが最大の魅力 「LLMとして性能・回答精度が高い」のが魅力なので、何がいいかを文章で伝えるのが結構厄介だ。ChatGPTにタスク機能だとか動画・画像生成とか音声対話とかアプリ連携のわかりやすい機能がどんどん追加される理由もこれなんだろうなと思う。機能を増やすほうがわかりやすいのだ。頭をよくするよりも。 Claude 3.7 Sonnetは無料プランでも触ってみることは十分できるので(拡張思考モードが使えないとか、リミットがかかるまでが早いとかの制限がある)、$20/月のClaude Proをいきなり契約しなくても、試してみるといいだろう。 ある程度使うときっと契約したくなるはずだ。

2025-03-19 20:21 · 折口詠人