最終決戦の朝が訪れた。砦内は緊張感に包まれ、兵士たちも静かに準備を進めている。昨日の援軍到着で勢いはあるものの、全員が今日の戦いの重要性を理解しているのだろう。
俺は早朝から作戦室で最終確認を行っていた。地図を広げ、配置を確認し、予想される敵の動きに対応策を練る。これまでの戦いで学んだことを全て活かさなければならない。
「よく眠れたか?」
シバタ大尉が作戦室に入ってきた。
「はい、案外」俺は答えた。「明日の戦いに備えて、しっかり休みました」
実際、昨夜は浴場でのフェリナとの一件もあり、少し寝つきが悪かったが、それは言わないでおこう。
「良かった」大尉は頷いた。「今日の勝利は、君の判断にかかっている」
その言葉に、改めて責任の重さを感じた。無言で地図に目を戻す。
「敵の様子は?」俺は尋ねた。
「動きがある」大尉は言った。「夜明け前から陣形を組み直している。全力で来るつもりだろう」
バイアス伯爵の部隊は撤退したが、ラドルフの軍はまだ約800名ほど残っている。対する我々は約950名。数では優位だが、ラドルフの「魂の鎖」の力を考えると、決して楽観はできない。
「ソウイチロウ」大尉が真剣な表情で俺を見た。「一つ聞いておきたい」
「はい?」
「君は何のために戦っている?」
突然の問いに、言葉に詰まった。何のために? そんなことを考える余裕はなかった。とにかく勝つこと、砦を守ること、それだけを考えていた。
「砦を守るためです」俺は答えたが、自分でも薄っぺらい回答だと感じた。
大尉はじっと俺を見つめていた。
「それだけか?」
「あとは……」俺は言葉を探した。「皆の命を守るため、任務を果たすため……」
どれも間違いではないが、心の底から湧き上がる答えではない。大尉はそれを見抜いたようだった。
「ラドルフは明確な目的を持っている」大尉は静かに言った。「彼は帝国の拡大と自らの権力、そして理想のために戦っている。それが彼の強さの源だ」
確かにその通りだ。ラドルフには明確な意志がある。だからこそ、あれほどの軍を率いることができるのだろう。
「では、君はどうだ?」大尉は再び問うた。「君の強さの源は何だ?」
答えられない。自分でも分からない。前世では麻雀を打ち、負けを嫌い、勝ちを追い求めた。この世界でも、ただ勝つことだけを考えてきた。だが、それ以上の何かがあるのだろうか?
「わからない……」正直に認めた。「俺は、まだ自分を知らないのかもしれません」
大尉は意外そうな表情をした後、微笑んだ。
「正直だな」彼は言った。「多くの若者は、知ったかぶりをする。だが君は、自分の無知を認める。それは強さの一つだ」
大尉の言葉に少し救われた気がした。
「今日の戦いで、答えが見つかるかもしれんな」彼は続けた。「命を賭けた戦いは、時に人の本質を明らかにする」
その言葉を胸に刻み、俺は再び地図に目を向けた。
***
朝食後、全将兵が中庭に集合した。最終決戦を前に、士気を高めるための儀式だ。
グレイスン大佐が前に立ち、兵士たちに向かって短い演説を行った。
「諸君! 今日の戦いは、我らが王国の未来を左右する」彼は力強く言った。「ギアラ砦が落ちれば、西部全域が危険にさらされる。だが、我々はそれを許さない!」
兵士たちから歓声が上がった。
「三日間の戦いを乗り越えてきた。我々は既に勝利の道を切り拓いている。今日、その道を最後まで進もう!」
再び歓声が響く。兵士たちの士気は高い。
「ソウイチロウ補佐官」大佐が俺を呼んだ。「君からも一言」
突然指名され、少し戸惑ったが、前に出て兵士たちを見渡した。若い顔、年老いた顔、様々な表情が俺を見つめている。
「私は」俺は静かに言葉を紡いだ。「若輩者です。多くの経験を持っているわけではありません」
静寂が広がる。
「だが、この三日間、皆さんと共に戦い、多くを学びました」俺は続けた。「敵の強さ、味方の勇気、そして戦いの意味を」
兵士たちの目が俺に注がれている。
「今日、私たちは勝ちます」俺は声を上げた。「それは単なる願望ではなく、確信です。なぜなら、私たちには敵にない力があるから」
「何の力だ?」誰かが声を上げた。
「連帯の力です」俺は答えた。「互いを信頼し、補い合う力。ラドルフの『魂の鎖』は兵を支配しますが、私たちは互いの意志で繋がっている。それが私たちの強さです」
それは、今この瞬間に俺の心から湧き上がった言葉だった。兵士たちの顔を見ていると、彼らと共に戦うことの意味が少しずつ見えてきたように感じる。
「共に戦いましょう」俺は締めくくった。「共に勝ちましょう」
兵士たちから大きな歓声が上がった。予想外に好評だったようだ。俺自身も、言いながら胸が熱くなるのを感じた。
儀式が終わり、全員が持ち場に散っていった。俺はセリシアと共に、再度防衛計画を確認する。
「いい演説だったわ」セリシアは素直に褒めた。「心に響いたわ」
「そうかな」俺は少し照れた。「正直、何を言ってるか自分でもよくわからなかったよ」
「だからこそ、本音が出たのよ」彼女は微笑んだ。「あなたの言葉に嘘はなかった」
ふと、セリシアの表情が柔らかくなったのに気づいた。普段の厳しい彼女からは想像できない、優しい微笑みだ。
「あなたはまだ自分を知らない」彼女は静かに言った。「でも、もう一人じゃない」
その言葉に、心が温かくなった。確かに、この世界に来てから多くの人と出会い、共に戦ってきた。もう一人ではない。
「ありがとう」俺は素直に言った。
二人で防衛計画の最終確認を終え、各自の持ち場に向かう。今日は俺が全体の指揮を執り、セリシアは東側防衛、シバタ大尉は西側防衛、グレイスン大佐は中央防衛を担当する。
砦の見張り台から敵陣を観察すると、彼らも最終的な準備を整えているようだった。ラドルフの赤い旗が風になびき、その存在感は遠くからでも感じられる。
「フェリナ」
彼女が近づいてきたのに気づいた。昨夜の一件もあり、少し気まずい空気が流れるかと思ったが、彼女は冷静な表情で報告を始めた。
「敵は三方向からの攻撃態勢です」彼女は言った。「特に南正面に主力を配置しています」
「ラドルフは?」
「中央、赤い旗の下にいます」彼女は答えた。「周囲には精鋭部隊が配置されています」
彼女の声には緊張が感じられた。今日の戦いは、彼女にとっても特別な意味を持つことだろう。
「フェリナ」俺は静かに言った。「今日の戦いで、君の父の仇を討つことができるかもしれないね」
彼女の目に決意の色が浮かんだ。
「ええ」彼女は頷いた。「でも、それだけじゃないわ」
「どういうこと?」
「私は復讐のためだけに戦っているんじゃない」彼女は真摯に言った。「この国の平和のために、そして……」
彼女は言葉を切り、少し視線をそらした。
「そして?」
「あなたたちと共に戦うために」彼女は静かに言った。「たとえラドルフを倒せなくても、あなたたちが勝てば、それだけで十分よ」
その言葉に、感動を覚えた。フェリナも、単なる復讐心だけでなく、より大きな意味を見出していたのだ。
「勝つよ」俺は約束した。「必ず」
彼女は微笑み、頷いた。
「あなたを信じてる」
その時、敵陣から角笛の音が響いた。攻撃開始の合図だ。
「来るぞ!」俺は声を上げた。「全軍、戦闘準備!」
敵軍は一斉に動き出し、砦に向かって進軍してきた。三方向からの同時攻撃で、特に南正面の主力部隊の動きが素早い。
「弓兵、準備!」グレイスン大佐が命じた。
砦の壁の上では、弓兵たちが弓を構え、敵の接近を待つ。敵が射程距離に入ると、大佐の命令で一斉に矢が放たれた。
矢の雨が敵の前列に降り注ぎ、多くの兵士が倒れた。しかし、後続の兵士たちは淡々と前進を続ける。ラドルフの「魂の鎖」の効果は健在だ。
「再度、発射!」
再び矢が放たれるが、敵の進軍は止まらない。彼らは砦の壁の下に到達し、攻城梯子を立て始めた。同時に、大門には破城槌を持った部隊が接近している。
「西側、敵が壁を越えました!」伝令が報告した。
「シバタ大尉に連絡を」俺は命じた。「予備兵力を西側に!」
戦いは激しさを増していった。敵は全方向から執拗に攻め立て、我々は必死に防戦する。しかし、数では優位にあるはずの我々だが、敵の組織力と統制は並外れており、徐々に押されつつあった。
「東側も危険です!」別の伝令が報告した。
俺は砦の中央塔に上り、全体の戦況を見渡した。確かに厳しい。東西の壁では敵が次々と乗り越え、正面の大門も破られつつある。
その時、敵陣に変化が見えた。赤い旗が前進し始めたのだ。
「ラドルフが動いた!」フェリナが報告した。「彼が直接、戦場に出ました!」
双眼鏡で見ると、確かに赤い鎧を着けた騎士——ラドルフが前線に出ている。彼は城門に向かって進んでいた。
「正面の防衛を強化しろ!」俺は命じた。「ラドルフを止めろ!」
しかし、正面の状況は既に悪化していた。敵は大門を破り、砦内に侵入しつつある。ラドルフの登場で、敵兵の士気も上がっているようだ。
「このままでは持ちこたえられません!」グレイスン大佐が報告した。
俺は迅速に判断を迫られた。このまま全方向で戦い続けるか、特定の場所に集中するか。
そして、ある決断を下した。
「中庭に全軍集結」俺は命じた。「砦の外周は諦め、中央で決戦を挑む」
その指示に、一瞬の戸惑いがあったが、各指揮官はすぐに理解した。もはや全ての場所を守ることは不可能だ。中央に集中し、最後の決戦を挑むしかない。
兵士たちは命令に従い、中庭に集結し始めた。敵は外周から続々と侵入してくるが、中庭に集まった我々の部隊は堅固な防衛線を形成していた。
そして、ついに赤い鎧を着けたラドルフが砦内に姿を現した。
初めて間近で見るラドルフ。彼は高い背丈と精悍な顔立ちを持ち、鎧の隙間から見える目は確かに赤く光っていた。その姿は威厳に満ち、恐怖を感じさせる。
「ラドルフだ……」俺は呟いた。
彼は兵士たちを率いて中庭に入ってきた。そこで彼が手を上げると、攻撃が一瞬止まった。
「砦の守備隊に告ぐ」ラドルフの声は低く、しかし力強かった。「もはや勝機はない。降伏せよ」
グレイスン大佐が前に出て、答えた。
「決して降伏はしない! 最後の一兵まで戦う!」
ラドルフは冷たく微笑んだ。
「無駄な抵抗だ」彼は言った。「死の恐怖を知らないつもりか?」
その時、俺は行動を起こした。前に出て、ラドルフと正面から向き合う。
「恐怖ではなく、信念で戦っている」俺は言った。「それがあなたには理解できないのか?」
ラドルフは初めて俺に注目した。彼の赤い目が俺を見つめる。
「ほう、君がソウイチロウ・エストガードか」彼は静かに言った。「サンガード要塞で戦った若き補佐官。評判は聞いていた」
彼の視線に圧倒されそうになりながらも、俺は動じないようにした。
「降伏の説得など無駄だ」俺は強く言った。「我々は最後まで戦う」
「なぜだ?」ラドルフが尋ねた。「何のために命を捨てる?」
大尉の問いと同じだ。戦う意味——それを問われている。
そして今、俺には答えがあった。
「仲間のために」俺ははっきりと答えた。「共に生き、共に戦う者たちのために」
ラドルフは一瞬驚いたように見えたが、すぐに冷笑した。
「感傷的な答えだ」彼は言った。「だが、感傷は戦場で何の役にも立たん」
彼が手を上げると、再び攻撃が始まった。敵兵が一斉に押し寄せてくる。
激しい戦闘が始まった。中庭は血と汗で染まり、叫び声と金属の音が響く。我々は必死に防戦し、敵も執拗に攻め立てる。
俺はセリシアと共に、中央部隊を指揮していた。
「ソウイチロウ!」セリシアが叫んだ。「ラドルフが近づいてきてる!」
確かに、赤い鎧の騎士が我々の防衛線に向かって進んでいた。彼の周りには精鋭部隊が固く守りを固めている。
「迎え撃つ!」俺は命じた。
我々の兵士たちがラドルフの部隊と交戦する。しかし、彼らの武技は並外れており、次々と我が兵を倒していく。
その時、フェリナが俺の隣に現れた。彼女の手には剣があり、戦う意志が見えた。
「フェリナ?」俺は驚いた。「何をしているんだ?」
「戦うわ」彼女はきっぱりと言った。「情報将校としてだけじゃなく、戦士として」
彼女の目には強い決意があった。そして、ラドルフを見つめる視線には憎しみが満ちている。
「危険だ」俺は言った。「下がっていろ」
「いいえ」彼女は首を振った。「私も戦う。それが私の選択よ」
彼女の決意を変えることはできないと悟り、俺は頷いた。
「わかった。だが、無茶はするな」
戦闘は激しさを増していった。ラドルフの部隊は着実に我々の防衛線を突破しつつあり、もはや時間の問題だった。
そのとき、砦の外から角笛の音が響いた。
「何が起きた?」グレイスン大佐が叫んだ。
砦の外に何かが起きているようだった。敵兵の一部が混乱し、後ろを向いている。
「援軍です!」見張りが報告した。「北から大軍が接近しています!」
それは予想外の展開だった。北の道から、王国軍の旗を掲げた大軍が急速に接近している。その規模は少なくとも1000名以上。
「アルヴェン将軍だ!」シバタ大尉が喜びの声を上げた。「将軍自ら援軍を率いてきたぞ!」
敵陣は大混乱に陥った。背後からの援軍に対応しようとする者、戦いを続けようとする者、退却を始める者……統制が乱れ始めている。
ラドルフも状況を察したようだ。彼は一瞬ためらったが、すぐに撤退の合図を出した。
「敵が撤退します!」セリシアが報告した。
敵兵は急いで砦から撤退し始めた。中には逃げ遅れて捕虜になる者もいる。
ラドルフは最後に俺たちを見つめ、何か言いたげな表情を見せたが、何も言わずに去っていった。
砦の外では、敵軍が急いで陣を解き、撤退していく様子が見える。そして北からは、アルヴェン将軍率いる援軍が迫っていた。
「勝った……」俺は小さく呟いた。「勝ったんだ」
セリシアが俺の肩を叩いた。彼女の顔には疲労と喜びが混じっていた。
「ええ、勝ったわ」彼女は微笑んだ。「あなたの指揮のおかげよ」
フェリナも近づいてきた。彼女は少し傷ついてはいたが、致命傷ではなさそうだった。
「ラドルフは逃げたわ」彼女は悔しそうに言った。「でも、今日の敗北は彼にとっても大きな打撃になるはず」
俺は頷き、二人に感謝した。
「二人のおかげだよ」俺は心から言った。「皆のおかげだ」
援軍が到着し、アルヴェン将軍自ら砦に入ってきた。彼は威厳ある様子で、周囲を見渡してから俺たちに近づいてきた。
「よくやった、ソウイチロウ」将軍は満足げに言った。「君の指揮のおかげで、砦は守られた」
「いえ」俺は頭を下げた。「皆の協力あってのことです」
将軍は微笑み、周囲の兵士たちにも敬意を示した。
「諸君の勇気に感謝する」彼は言った。「王国は諸君の功績を忘れない」
砦内に歓声が上がった。勝利の喜びが広がる中、俺はふと空を見上げた。夕暮れの空が赤く染まり、まるで今日の戦いを映し出しているようだった。
***
夜、勝利を祝う小さな宴が開かれた。兵士たちは疲れながらも、生き延びた喜びを分かち合っていた。
俺は少し離れた場所に座り、静かに酒を飲んでいた。今日の戦いと、そして自分自身について考えていた。
「一人でいるのか」
アルヴェン将軍が近づいてきた。
「将軍」俺は立ち上がろうとしたが、将軍は手で制した。
「休め」彼は隣に座った。「今日の戦いは見事だった。特に、中庭への集結作戦は賢明な判断だった」
「ありがとうございます」俺は答えた。「それでも、援軍がなければ危なかったです」
「それが戦だ」将軍は静かに言った。「完璧な勝利など滅多にない。大事なのは、最後まで諦めないことだ」
将軍は遠くを見つめながら続けた。
「シバタから聞いた。君は『戦う意味』を見つけたそうだな」
「はい」俺は頷いた。「仲間のため、共に生きる者たちのために戦う。それが俺の答えです」
将軍は満足そうに頷いた。
「良い答えだ」彼は言った。「それは決して間違いではない」
二人は暫く静かに夜空を見上げていた。
「次の任務について話しておこう」将軍が口を開いた。「ラドルフは撤退したが、彼はまだあきらめていない。今後も戦いは続く」
「はい」俺は覚悟を決めて答えた。「どんな任務でも受けます」
「次の戦場はサンクライフ平原だ」将軍は言った。「大規模な決戦になるだろう。君には要となる役割を任せたい」
「わかりました」俺は頷いた。「準備はいつですか?」
「三日後に出発する」将軍は立ち上がった。「その前に、少し休息を取るといい」
将軍が去った後、俺は再び夜空を見上げた。星々が瞬き、静かな平和を感じさせる。
「一人?」
今度はセリシアが近づいてきた。
「ああ」俺は微笑んだ。「少し考え事をしてた」
「将軍と話していたわね」彼女は隣に座った。「次の任務?」
「そう」俺は頷いた。「サンクライフ平原での決戦だそうだ」
「大きな戦いになるわね」セリシアは真剣な表情になった。
「ああ」俺は同意した。「でも、もう怖くはない」
「なぜ?」
「皆がいるから」俺は素直に答えた。「君も、フェリナも、シバタ大尉も、皆がいる。もう一人じゃないからね」
セリシアは少し驚いたような顔をしたが、すぐに優しく微笑んだ。
「そうね」彼女は静かに言った。「あなたはもう一人じゃない。私たちがいるわ」
その言葉に心が温かくなる。
「……俺はまだ、始まったばかりだから」
小さく呟いた言葉に、セリシアは静かに頷いた。
確かに俺はまだ旅の途中だ。前世では無気力な高校生で、この世界でも最初は迷い続けていた。だが今、少しずつ自分の道を見つけつつある。
戦いはまだ終わっていない。ラドルフという強敵は健在だし、これからも多くの試練が待っているだろう。しかし、もう恐れはない。仲間がいるから。
夜空を見上げながら、俺は静かに未来を思い描いた。